私は現在ヘルシンキ在住ですが、10代の子でも、年配の方でも喋れる人は多いです。特にヘルシンキのカフェやお店では観光客も多いので英語ペラペラなフィンランド人がほとんどです。
フィンランド語の訛りが強い英語を話す人に会ったことは何度かありますが、それでもちゃんと正しい英語を使っているので問題なく英語で会話できます。
今回は、「なぜフィンランド人は英語が上手なのか?」を私の実体験をもとにその理由を書いていきます。
①小さい時から学校で使える英語を習っている。
ある日、フィンランドの小学3年生が使っている英語の教科書を見る機会がありました。
その時に日本とフィンランドの教科書で違いを1つ発見しました。
- 日本:1単元ごとにbe動詞や過去形など様々な文法事項を学び、少し練習問題をして次の単元に進む
- フィンランド:1単元ごとに文法事項を学ぶのは同じだが、クイズやイラストでの反復練習の割合がかなり多い。
日本の教科書では概念をしっかり学んで覚えていきますが、フィンランドでは概念の説明に多くのページを割かず、とにかく反復練習に数ページをかけて少しずつ概念を学んでいきます。
そのお陰で文法ルールを頭で考えすぎず、会話の中で自然と使える英語が身に付きやすいのだと感じました。
具体的な特徴をまとめたので、興味があればこちらも併せてご覧ください。
- 写真やイラストが多い
小学校低学年なので当然ですが、飽きないように写真やイラストが沢山載っています。
特に動物やお菓子のイラストを多く載せながら、クイズなどが用意されています。 - 基礎の文型から色んな単語を入れて何度も練習している。
例文でこれがあるとします。
(He is) (8 years old).
()の部分を教科書に載ってるイラストに合わせて、
(She is)(8 years old).
(He is)(10 years old).
(Tom is)(12 years old).
などと繰り返し文型にハメて覚えていくということをしていました。
私はフィンランド語はこうやって覚えてきたので非常に再現性のあるいい方法だなと思いました。 - 遊び要素が多いクイズが豊富。
例えば、風船がイラストがあり、(10)(20)(30)(ten)(twenty)(thirty)と書いてあり、「Q. 同じ意味のものを線でつないでみよう!」とか「Q. 同じ意味のものに色を塗ろう!」など楽しみながら覚える工夫が教科書にこらしてあるのがよく伝わりました。
小さい時からこうやって英語を学んでいれば、確かに伸びるだろうなあと感じました。10代で英語をペラペラに話せるのも少し納得できました。
②TVは英語の番組が多い
フィンランドでは自国の番組が少ないので海外、例えばイギリスやアメリカなどから番組を輸入して放送しています。
フィンランド語の吹き替えはなく、英語の音声+フィンランド語字幕なのでTVをつければ英語が流れるということはよくあります。
フィンランド人の子ども達もTVだけではなく、Youtubeも英語で見ている子が結構多いです。
小さい時から英語を聞いてそれを理解しようとすると良いリスニングの訓練になりますね。
③英語からの借用語が多い
これは英語が流暢に話せる影響としては、そこまで大きくないかもしれません。
ただ、私はフィンランドに来て印象に残ったのでこれも紹介します。
例えば
- Katastrofi(英語:catastrophe)意味:大惨事
- Glitter(英語:glitter)意味:キラキラ光る
- Astronautti(英語:astronaut)意味:宇宙飛行士
私が最近聞いた言葉です。因みにkatastrofiは冗談でよく使います。
例えば大変なことがあってもギリギリなんとかなりそうだったら「Ei ole katastrofia.(そんなに大惨事じゃない。)」と言ったりします。
もちろん日本語にも借用語はありますが本来の意味とは違う言葉が多いので、時々困ります。(日本語の「お金をチャージする」「コンセント」とか。)
フィンランド語は本来の英語の意味と同じなので、そういう単語は覚えやすいだろうなと感じます。
④日頃からフィンランド語の会話の中に英語を入れている
特に若いフィンランド人にあるあるです。
20代の女性たちが冗談を言い合っている時、
What are you doing girl?
カフェでお兄さんがメニューを見て別の店に行くと決めた時、
Maybe next time, See you!
正直なぜ英語をわざわざ入れるのかはわかりませんが、フィンランド人同士でも英語を使うなら英語を喋ることへの抵抗は少ないはずです。
⑤文法は英語と少し似ている部分がある
文法も似ているものがいくつかあるのでそれを紹介します。
- , which~ ,mikä on~
- 関係代名詞who, that
- 現在完了形は全く同じ用法
また、フィンランド語の語順は比較的自由ですが基本は英語と同じです。(例:主語+動詞+目的語)
文法が似ている箇所に関しては、単語をしっかり覚えていれば簡単に正しく話すことができますよね。
以上が私が思う「フィンランド人が英語を流暢に話せるのはなぜか」の理由5選でした。
フィンランド語、フィンランド人の英語に関して聞きたいことがあれば是非コメントなどで教えてください。
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