「フィンランドに興味あるけど、フィンランド語って難しいのかな?」と考える方は少なくありません。
フィンランド語はとても難しいとよく言われますが、実際にフィンランド語を2年以上学びフィンランドに住んでいる身としては、そうは思いません。
むしろ、フィンランド語は日本人にとってはハードルが低い言語です。
この記事ではなぜフィンランド語が難しいと言われている理由を説明し、その上でなぜ日本人にとってはハードルが低い言語なのかを私の経験も基に解説していきます。
フィンランド語を勉強しようか迷っている人には必見です。
この記事で分かること
・難しいと言われているのは文法事項が多いから、他のヨーロッパとは違う語族だから
・日本人にとってフィンランド語は勉強しやすい
・フィンランド語を学ぶことはメリットだらけ
関連記事:【完全版】初心者~中級車向けフィンランド語の独学勉強法
フィンランド語が難しいと言われている理由
1.格の多さ
格というのは、日本語で言う「てにをは」です。例えば「私が」「私に」「私を」といったものです。
フィンランド語には、主格、属格、対格、分格、様格、変格、内格、出格、入格、所格、向格、離格、欠格、共格、具格と15の格があります。(多すぎる)
これがあまりに多すぎてネタ画像も作られています。
例えば「Talo(家)」という単語を例に挙げると
主格:talo
属格:talon
対格:talo
分格:taloa
様格:talona
変格:taloksi
内格:talossa
出格:talosta
入格:taloon
所格:talolla
向格:talolle
離格:talolta
欠格:talotta
共格:-
具格:-
そして更に複数形になると形が更に変化します。(つまり倍の数…)
しかし朗報です。欠格、共格、具格は日常生活では使用されていません。
つまり覚えるべきは12個です!(やったー・・・)
といったようにフィンランド語には格が多いことが難しい言語と言われている理由の1つです。
参考:https://herrkramski.wordpress.com/2014/11/20/finnish-is-not-a-hard-language-pt-2/
2.他の北欧諸国と違う語族
フィンランド語は他の北欧諸国(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)とは違う言語の背景を持っています。
北欧諸国はインド・ヨーロッパ語族に属しこれらは英語と近い言語になっていますが、フィンランドだけはウラル語族で違う言語になっています。
つまり、単語を1つとっても英語とも、他の北欧諸国とも全然違う単語になるわけです。
Simple(=単純)という単語なのに、フィンランド語だけ複雑そうな単語なのが面白い。(笑)
だからこそ、「フィンランド語だけ異質!何かややこしそう!」と言われています。
日本人にとっては簡単である理由
さて、よく言われてる難しいと言われている理由を書きましたが、ここからは日本人にとってフィンランド語は簡単である理由を書いていきます。
これを読むとフィンランド語の勉強を始めるハードルが下がるので、ぜひご覧ください。
1.格を含め日本語と文法が似ている
先ほど紹介した格を含め、フィンランド語の文法では日本の文法と似ているものがいくつかあります。
それらを紹介していきます。
①格は日本語の感覚で覚えられる
格のイメージは日本語と似ていて覚えやすいです。
例えば
- Talo+sta 家+から
- Talo+on 家+へ
- Talo+n 家+の
名詞に決まったパターンの接尾語をつけてしまえばいいだけです。日本語も同様ですよね。
このルールを覚えてさえしまえば感覚的に理解できます。
また、フィンランド語は格の数が多い分それぞれの意味がきっちり分かれています。
日本語の「学校へ行く」「学校に行く」のようにどっちを使うべきなのか、といった疑問は湧きにくいです。
因みに疑問文を作る時は動詞に-koをつければできます。
Syökö?という単語は「Syö+ko」と分けることができ、日本語と同じように「食べます+か?」という風に使えます。
これも覚えやすいですね。
②語順が入れ替わるのも日本語のイメージで覚えられる
英語だと、基本的に主語+動詞+目的語というように語順が決まっています。
しかし、フィンランド語では目的語が先に持ってくることができます。
例えば
- Sitä syön. それを私は食べる。
- Syön sitä. 私はそれを食べる。
※Syön…私が食べる、sitä…それを
どちらの文も正しいですが、sitäを先に持ってくると少し強調された意味になります。
日本語も目的語が先に来ることはありますよね。語順が柔軟なのはフィンランド語と日本語の共通点です。
③男性名詞・女性名詞がない
私はフランス語を少しだけ勉強していた時期があるのですが、男性名詞や女性名詞が出てきて頭がパンクしました。
「ヨーロッパの言語ってこうなの!?」と勝手に絶望していましたが、フィンランド語には男性名詞・女性名詞はありません。
しかも、He,Sheなどの彼/彼女は全てHänの1単語で表されます。
格が多い分、他に覚えることが少ないのは嬉しい点ですね。
参考:https://herrkramski.wordpress.com/2014/11/06/finnish-is-not-a-hard-language-pt-1/
2.単語が覚えやすい
他のヨーロッパとは違う語族なので、英語に加えて全く違う単語を1から覚えないのか、と思うかもしれません。
しかし、フィンランド語は単語を組み合わせた複合語が多いです。
つまり基礎単語を覚えてしまえば、それらの複合語も同時に覚えることができます。
例えば
単語 | 意味 | 言葉の組み合わせ |
---|---|---|
tietokone | パソコン | tieto(情報)+ kone(機械) |
jääkääppi | 冷蔵庫 | jää(氷) + kaappi(棚) |
pesukone | 洗濯機 | pesu(洗うこと) + kone(機械) |
lentokone | 飛行機 | lento(飛ぶこと) + kone(機械) |
このような単語が多いので、こういった複合語に出会った時は「ラッキー、覚える手間が省けた!」と得した気分になります。
全く新しい言葉を覚えるとなると、やる前から疲れてしまいそうですが、ある程度基礎単語を覚えると「これくっつけるだけじゃん!覚えやすい。」と思える機会が増えてくるので楽しくなりますよ。
参考:https://www.finnishpod101.com/blog/2020/12/18/is-finnish-hard-to-learn/
3.日本人にとって発音しやすい
新しい言語を学ぶ時のハードルの1つとして発音があります。
しかし、フィンランド語に関して言うと日本人にとっては簡単です。
フィンランド語の発音の特徴はこうです。
- Rが巻き舌
- 単語はローマ字読み
- イントネーションが単語の先頭に来て、後は平坦に読む
(例)Koira⇒コイラ、のように「コ」を少し強く発音し、後は平坦に発音されます
こちらの動画ではフィンランド語の特徴について説明しています。
巻き舌にさえ慣れてしまえば、発音に関しては難しい事はありません。
私がフィンランド語の勉強を始めたてでフィンランド人と電話していた頃に、ローマ字読みで教科書の文章を棒読みしてもフィンランド人は「ああ、言いたいこと分かったわ。」と理解してくれました。
日本人はフィンランド語を話す才能があるので自信を持っていきましょう。
発音に関してより詳しく知りたい方は「フィンランド人の英語の特徴と訛り」で解説しています。
フィンランド語を学んでよかったこと
- 友達が作りやすくなった
- 皆フィンランド語は難しいと思ってるから話せると褒められる。
- ローカルのフィンランド人とサウナで話せた。
- フィンランド人の恋人ができた
どれに対しても言えることですが、フィンランド人が英語を話せるとしても母国語でコミュニケーションをする方がフィンランド人はより自然体でいられます。
たとえカタコトのフィンランド語であっても、外国人が一生懸命話そうとしてくれたら絶対に打ち解けやすいし、母国へのリスペクトを感じられます。
そのお陰で私は友達も恋人も見つけることができました。
だから、フィンランドに興味があるなら、少しでも勉強を始めてみるのをオススメします。
フィンランド語の勉強を始めるのはノーリスクで、メリットしかありません。
独学で始めたいのであれば私が下に貼った記事を是非参考にしてみてくださいね。
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